福岡県は全国でぶっちぎりで醤油メーカーの多い県です。その数はなんと100近く。
スーパーに行けば、20種以上の醤油が並んでいることも珍しくありません。
なぜ日本一醤油メーカーが多い県で、全国的には少数派の甘い醤油をこぞって作っているのか?
その謎を解明していきます!
九州・福岡の醤油が甘い理由
砂糖が手に入りやすい環境だった
醤油が庶民の間に広まったのは、江戸時代(いきさつは後述)。
鎖国の時代に、九州・長崎は貿易をしていて、当時は贅沢品だった砂糖が手に入りやすかったこと、九州の温暖な気候でサトウキビがよく取れたこと。
これらの理由から、当時は贅沢であった「甘い味付け」に慣れており、醤油にも砂糖を加えた。というのが理由の一つ。
温暖な地域では甘い物が好まれる
一般的に、東北地方など寒い地域は塩気の強い物を好み、暑い地域は甘い物が好まれる。
これは、寒い地方では塩を取ることで体温を上昇させる効果があり、温かい地域は消費カロリーが多いので、そのぶん糖分を欲するようです。
実際に東北地方は塩気が強く、九州の味付けは甘い傾向にある。
同じ九州でも南に行くほど醤油が甘くなることから、説得力のある理由である。
海に囲まれた土地柄で、塩分よりも糖分を摂る必要がある
甘い醤油というのは、何も九州だけではなく、北陸や東北、中国地方や四国など海に面した地域は甘い醤油が親しまれているようです。
逆に言えば、内陸地は塩っ辛い醤油が親しまれている。
この因果関係はつまりこうです。
内陸地の田んぼ・畑仕事は米など糖分を含む農作物が採れ、汗をかいたときの塩分補給が求められる。
一方、漁師は海産物で塩分補給ができているので、糖分によるカロリー補給の方が重要になる、というわけです。
九州・福岡の醤油が甘い理由まとめ
- 砂糖が手に入りやすかった
- 温暖な気候
- 海沿いに面している
この三拍子の条件が整っていることから、九州の醤油は、「甘い醤油」へとなったようです。
ちなみに、これは九州の醤油が甘くなった歴史であって、
現在もなお甘い醤油が親しまれているのは、単純に「美味しいから」だと思います。
おすすめの福岡九州の醤油
これ、全部醤油です。福岡にはこんな店もあります(笑)
お店の詳細こちら:福萬醤油(食べログ)
このお店では280種の醤油からテイスティングが可能なのですが、私が食べた中でおすすめの醤油をご紹介します。
うに醤油
まずはこちらの「うに醤油」
「うに」の海鮮の旨味がが衝撃的な美味しさで、食べて即買いしました。
お刺身につけて食べると、雲丹の載った贅沢な海鮮丼の味!でとても気軽に美味しく“ウニの海鮮”が味わえるのでおすすめです(^^)
雲丹醤油(うにしょうゆ) 120ml【HOF13】【rank_review】
かぼす醤油
かぼす醤油やゆず醤油もさっぱりして美味しい。おすすめです。
九州の郷土味 麻生醤油 蔵元産品醤油セット
日田醤油
普通の醤油は、結局わが家でいつも使っている醤油が一番美味しかったです(^^)
この「日田醤油」はちょっと高いですが美味しいですよ~。
天皇献上の高級品も作っている醤油蔵なので、味は文句なしです。
醤油の概念が覆るほど、これ1本は美味しいです。
余談ですが、この醤油で冷奴を食べると、もう、それだけで最高の逸品です。
関東出身の私は、九州・福岡の甘い醤油は否定派だったのですが、日田醤油に出会って以来、醤油の美味しさに目覚め、今では関東の旨味の少ない醤油は不味いと感じます。
醤油のルーツは?
醤油のルーツ「関東の甘くない醤油が先か、福岡の甘い醤油が先か」気になり調べました。
要約すると、
六世紀ごろに「醤」という調味料が伝わり、長年の改良を経て日本人は「味噌」作りを開発した。
すると、「味噌」を作る行程の副産物として「たまり醤油」も誕生した。
しかし、このたまり醤油はあくまで副産物なので、美味しさは文句ないものの、作れる量が少なく超高級品だった。
そこで、庶民にも醤油を食べてもらいたい。ということで、大豆から直接醤油を作る製法が確立された。
醤が伝わって1,000年以上経過した江戸時代にようやく、
現在親しまれているキッコーマンなどの「濃口醤油」が誕生し、その製法は江戸で最初に開発され、急速に全国へと広まった。
つまり、現代の全国で親しまれているほぼ全ての醤油は、江戸が発祥。
とまあ、こんな感じみたいです。
味噌の発祥は中国説もあり、「たまり醤油」の発祥は分からずじまいでした(笑)
ちなみに、現在のたまり醤油は定義が曖昧で必ずしも味噌の副産物、というワケではないみたいです。
しかし、たまり醤油は旨味成分をたっぷり含んでいるので、味は福岡の醤油に近いと思います‼
つまり、甘くて旨味を含む醤油こそ、本来の醤油と言えなくもないので、関東の人も福岡の甘い醤油を毛嫌いしないでください(笑)
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